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年末のご挨拶(2025-12-30)
本年も格別のご支援とご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
皆様のお力添えにより、当社は今年も無事に年の瀬を迎えることができましたこと、心より御礼申し上げます。
さて、今年の漢字は「熊」でした。
各地で熊が里に出没し、残念ながら人身被害も発生する一年となりました。
近年では冬眠をしない熊もいると言われ、自然と人との関係の難しさを改めて考えさせられます。
里に降りれば、柿や桃、リンゴをはじめとした多様な食料があります。
人にとって美味しいものは、熊にとっても美味しい。
物の本に「熊の好物はドングリやクルミ等の木の実」と書いてあるのは、選択肢の乏しい山奥においてやむを得ず食べられていたのであり、実(じつ)は柿の方が美味しかったのかもしれません。
これまで人が独占してきた食料の「本当の美味しさ」が、熊にも知られてしまった――そんな見方もできるのかもしれません。
共存を模索する努力は続けられてきましたが、それでも折り合いがつかない場合、最後に残るのは対立、すなわち駆除という厳しい現実です。
この構図は、残念ながら人と人、国と国の関係にも重なります。
資源、食料、エネルギー、価値観の違いが深まれば、争いへと向かってしまうこともあります。
しかし、熊と人との間には大きな違いがあります。
人と人は、対話ができるということです。
話し合うことで分かり合える可能性があり、争いを回避する知恵を持っています。
取引や協力によって課題を乗り越える道もあり、共通の課題に対して力を合わせることもできます。
私たちは、それを近年のコロナ禍で経験しました。
人類共通の脅威に直面したとき、世界は国境を越えて情報を共有し、医療資材を融通し合い、ワクチンの共同開発に取り組みました。
「人の命を守る」という共通の目的のもと、対立を一時脇に置き、世界がつながった瞬間でした。
ポリオ根絶、未知の感染症、環境問題など、課題は尽きませんが、共通の利益、共通の未来のために協力することは可能だと信じています。
助け合いの輪、奉仕の輪は、必ず広げていけるものです。
私たちは社会的企業として、これからもご利用者の皆様の安心と尊厳を大切にし、地域社会に必要とされる存在であり続けるよう努めてまいります。
本年も誠にありがとうございました。
皆様どうか健やかに新年をお迎えください。
2025年12月31日
有限会社 伊豆介護センター 代表取締役 稲葉 雅之


